作庭・剪定・管理 木下造園
ホーム » 施工事例 » 中野区・源通寺 源流庭・外界〜アプローチ 時とともに趣を増す自然素材の和の庭

中野区・源通寺 源流庭・外界〜アプローチ 時とともに趣を増す自然素材の和の庭

h_IMG_2677
中野区・源通寺には自然素材で構成された和の庭、源流庭。
庭の空間を土塀で内界・外界の二つに仕切っています。
外界は、内側の緑豊かな水の庭を引き立てる景観を考えて造りました。

アプローチを歩くと壁の隙間からのぞく緑が見え、水の流れる音が聞こえます。壁の内にどのような庭があるのか心躍る工夫です。
外界の瓦と石でデザインした三和土のアプローチの横には瀟洒な葦(よし)垣を設け、アプローチの傍らには石をくりぬいた明かりを据えました。


h_IMG_2679
土塀は昔ながらの技法で釘を使わず寄せ柱に貫を入れ、竹木舞の土台に荒木田と藁スサを混ぜた土を塗って仕上げています。


h_IMG_2753
土壁は石積みとの間に隙間を造り、外と中との繋がりを持たせています。
粗塗り・中塗りを施しヒビを入れることで時を経た土塀の雰囲気を出しました。

やや勾配をつけて積んだ野面の石積みは、木曽石を用いました。
木曽石は表面の質感にザラ味があり苔が乗りやすく、斑点模様の錆が表情豊かな石。
土塀及び内界の景色に溶け込み、景石とはまた違った色味と質感を感じられます。


h_IMG_2752
城郭の城積みのように曲線が出るように積み、視覚的に柔らかくみえるようにしました。
ひとつひとつの石を5点以上接するよう、石の並びが単調にならないように、目地の美しさも念頭に、深目地で積んでいます。
この石積みは見た目の良さだけでなく、内側の土壌及び土塀を支える役割も果たしています。


h_IMGP1669
施工後、3年が経過した木曽石の野面積みの表情。
徐々に苔が乗り、趣が出て来ました。